必修科目の未履修問題

 「先生〜、受験に関係ない科目、勉強したくなあ〜い!」なんて、いかにも高校生が言いそうなせりふ。それを正して、しっかりルールを守ることを教え諭すのが教師の仕事。「Logとか加法定理とか日常生活に必要ないから、数学勉強したくない」という生徒の意見を聞いて、数学の授業をしない、っていうのが許されないのと同じことです。
 いったい、教育の現場はどうなっちゃっているんでしょう。社会生活を営んでいく上で、いちばんの大切なことを教えなくてはいけない大人への入り口の高校がこれでは、本当に救いようがないところまで来ている気がします。
 昨夜のニュースでは60校以上が同様の問題があったそうな。見ると、ほとんどが地方の公立高校のようです。
 ここからは私の勝手な意見です。地方にはいい私立大学が少なく、どうしても地元の国公立の大学に進学させたいという希望が多く、センター試験を意識せざるを得ないという現状があるのでしょう。また、私立高校は助成金の問題等も絡み、文部科学省からのチェックが厳しく、学習指導要領に外れたカリキュラムは作りにくいのかも知れません。
 「学習指導要領の内容と受験科目が一致しないのが、そもそもの原因」とか「ゆとり教育の弊害がここに」とかいろんな意見が出ていますが、それらはそれらとして、また別のフィールドでしっかり議論が必要な内容です。
 盛岡の高校では4年以上もこの事態が続いていたとか。履修科目証明をもらいに行ったら、受講していないのに「世界史」に○が入っていて、先生に問いただしたら「いいから、いいから。何も心配いらない。」と言われたとか、もう完全に確信犯ですよね。

 怒りを通り越して、「唖然」としています。
 今夜のニュースで、該当する高校の数が増えていませんことを、と願うばかり。