複雑

「うちの娘、ついに水商売に…」と友人からショッキングな報告が。
 大学2年生の彼女は、家がそんなに裕福でないことを理解してか、パソコン購入費用や自動車教習所のお金など全部自分のバイトのお金で準備するらしい。「半分出してあげるから」と言っても聞かないらしい。
 塾の講師、コンビニなどのバイトを次々と入れ、先日から追加したのは「ガールズ・バー」。友人も私もこんな言葉を知らなかった。
 客が着席した高めのカウンターが並ぶ店内の通路に、ごく普通の私服を着た女の子たちが立ち、会話を楽しむというもの。いかがわしい行為は一切なし。お店の男性スタッフが止めに入ってくれるらしい。
 午前3時過ぎまでの仕事が終わると、専属の車で自宅前まで送ってもらえるらしい。
 もちろん、翌日の授業に差し障らない日だけの仕事らしいが。
 「もう、何言っても聞かないのよ。20歳を過ぎたらもう親の出番はないわ」と友人もあきらめ気味。
 
 このことをうちの子供たちにも話した。
 息子も「ガールズ・バー」という言葉を知らなかった。「居酒屋で働いている子はいるけど、僕の周りには水商売はおらんなあ、知らんだけかもしれへんけど」。
 娘「そりゃ、あかんやろ〜。○○ちゃん、道を踏み外してるやん。」

 そのとき、わたしならどうするか。体を張ってでも、すぐにやめさせる強硬手段に出る…と思う。でも、そのころ、娘がどんな価値観を持ち、どんな成長の仕方をしているか。
 複雑な思いで、友人のため息につきあった。