ノーベル平和賞(その2)

 今回受賞された劉氏の詩や随筆を日本語訳して、本を出版している彼女といつものランチ。
 「受賞が発表される1週間前から電話がずっと鳴りっぱなしだった」とか「帰宅したら新聞記者たちが家の前にズラリ…」とか、まだ興奮冷めやらぬ会話を交わしました。「私の売名行為と取られるのがいちばん困る。あの国が少しずつでも変わっていってほしい。願うのはそれだけ…。」ときっぱりした口調で。
 私がいちばん心配するのは、彼女にあの国の圧力が及ぶのではないかということ。「そんな本が存在することすらあの国には、知る術がない…」言論統制の感覚は、なかなか私には想像しにくい。