ボリショイバレエ団「白鳥の湖」 (兵庫県立芸術文化センター)

 世間一般的に「バレエ=白鳥の湖」と思う人が多いのではないでしょうか。あの音楽、あの衣装、あのステップ…。 
 一糸乱れぬあの群舞、4羽の白鳥の足さばき、白鳥の羽を表現する手の動き、ジークフリート王子の滞空時間の長さ、見事でした。まさに定番中の定番をしっかり堪能して酔いしれてきました。
 オーケストラの音も一流。バイオリン、クラリネットなどのソロが切なく響きます。
 引退を発表しておられる岩田守弘さんのジャンプ、回転も聞きしに勝る迫力でした。あの身長のハンディを乗り越えてここまで来られたことに改めて敬服です。

 ただ残念だったのは最後の「32回のフェッテ」が失敗に終わって曲と合わなかったこと。私にはオデット役にもう少しスピード欲しかった。
 前日の「ライモンダ」も観た友人も、最後のリフトでぐらついたりカーテンコールがいつもより短かったり、ちょっと疲れが見えたかなって言っていました。

 バレエ鑑賞6回目ともなると、素人なりに自分のツボ、こだわりが出てきて奥深い見方ができるようになってきました。(愛を語るパ・ド・ドゥは、スワンのチュチュよりも緩やかな衣装がリフトによって華麗に流れるロミジュリの方が私好み…というのを再確認)