たたずまいの美しい男の子

 4人掛けの電車の席で、私の斜め前に座った男子。20歳くらいの大学生だろうか。
 尾崎豊スピッツのマサムネさん似。細身で神経質そうな雰囲気も◎。たたずまいが清らかで美しい青年。リュックからそっと食べかけのアンパンを取り出して静かに口に運んでいる。「アンパン」という古風なチョイスが「おばさん」にはなお◎。
 そしてしばらくしたら、黄ばんだ文庫本を取り出して読み始めた。何の本を読んでいるのかな、ブックカバーがかけられていてタイトルはわからない。ここまで黄ばんだ本って…。昔の本?これも「おばさん」には◎。
 じっと見るのも失礼だから、チラチラ横目で見る。時々ガラス越しに映った姿を…。
 
 雰囲気の清廉な男の子だったな。ここのところ、移動中は延々とスピッツばかり聴いていたから、その化身が降りてきたのかな。
 
 仕事の疲れが一気に吹き飛びました。