気を紛らわす

 梨の差し入れを口実に、新大阪に住む息子のところへ行ってきた。マンションを訪ねるのは2年半ぶり。顔を合わせるのは7か月ぶり。
 「根菜類を食べたい」のリクエストに応じて、朝から筑前煮を作ったり、さっと自炊できそうなものを下ごしらえして袋に入れたり…。 あまり冷凍したものは私自身が好きではないので、メニューはいつも限られる。じゃこおろしやタコとミョウガの酢のもの、枝豆(「紫ずきん」という京都ブランド)等、普段食べないメニューを喜んでくれてよかった。



 行き届かない水回りの掃除をしたり、近況報告を聞きながらアイロンかけをしたりして、4時間ほど過ごして帰ってきた。



 話題は年齢的にも友だちや自分の結婚の話に…。お相手からは結婚をせかされているようだが、もうしばらくは自分はひとりで動きたい様子だった。



 なんていうことのない穏やかな時間だった。なんだか思い出すと切ない。何が切ないのか、自分にもわからない。
 もう私の知らないところでしっかり自分のペースを作っていることが、大きな安心でもあり、大きな空虚でもあり…。




 じっとしていると、なんだかどんどん気持ちが下に行きそうだったので、朝からあちこち掃除しまくって気を紛らわせた。


今日がいいお天気でよかった。









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