マダムのこの歳になっても、ほんの数年前まで大学受験の頃の夢を見ていました。時期はいつも高校三年生の秋頃。「入試日まであと少ししかないのに、こんな成績でどうするの!?」と追い詰められて目が覚め、「ああ、夢でよかった」と心からほっとするのです。
 
 そんなにもまだまだ「受験」という悪夢が、自分の心の中に根強く残っていることにびっくりします。自分の子供たちのほうが、もっと受験に近いところにいるというのに。

 そんなわけで、この時期、いろんな人たちの「合格した」「不合格だった」というニュースが入ってくるたび、マダムの心はざわざわとしてしまいます。みんなどんな気持ちでこの梅・桜を見ているのだろうと。

 毎年この時期になると、桜を歌った曲がリリースされますが、森山直太郎さん、河口恭吾さんや中島美嘉さんの「さくら」は、スローテンポでとてもきれいです。でも、やはり春のこの何かに追い立てられるような切なさをアップテンポなリズムで表している「ケツメイシ」の「さくら」が、今のマダムの気分にはいちばんぴったりきます。