服装と仕事

 昨日、建築デザイナーのHさんを電車の中でお見かけしました。Hさんは建築空間に和紙造形を取り入れるというその独創性が高く評価され、最近マスコミでもたびたび紹介されています。
 秘書らしきスタッフとともに乗り込んでこられ、宝塚の男役を思わせるその背丈、丹精なお顔立ちと仕事人独特のオーラで一瞬、電車の中の空気が変わった気がしました。
 靴も図面バッグもパンツも黒。ジャケットも細いペンシルストライプの入った黒。それも35度を越す気温の中、全面に裏地のついたマニッシュなかっちりしたデザイン。指輪も「武器」のようなデザインの大きめシルバー。(決してオバハンのずうずうしさで、ナメるように見ていたわけではありません。あくまでも、ちらっ、ちらっと…)
 私の知り合いの建築家たちは、アイテムにデザイナー特有こだわりを持ちながらも、割と自由で個性的なファッションの人が多いです。
 Hさんのように、世界規模で活躍する人は、コンペやプレゼンで「闘う」場面もきっと多いことでしょう。そんなときに気持ちを「戦闘モード」に切り替えてくれるのに、ファッションはものすごく大事なツール。昨日の服装は、まさにそんな感じでした。
 私と同年代とお見受けしたHさん。仕事をする同じ女性として、後ろ姿に思わずエールを送ってしまいました。