幸福な食卓

幸福な食卓

幸福な食卓

多彩な読書分野をお持ちのpen-cileさんの書評に刺激されて、読んでみました。
(id:pen-cile:20050611)
 いわゆる最近のヒット作「いま、会いに行きます」、「世界の中心で愛を叫ぶ」、「インストール」「空中庭園」と同じようなにおいがして、淡々と進む感じになかなか入っていけなかったのですが、後半、どんどんいいテンポになっていきました。

 この作品のように、主人公に語らせていく文体って、時々ついていけないときがあります。「空中庭園」(角田光代作)の中で、中学生の男の子の目線で、延々と語る章があるのですが、「そんなに理路整然としゃべりまくる中学生なんて、おらへんやろ!」とか思い始めたら、内容に集中できなくなる。といって、年相応に、とつとつと語られても、作文を読まされているような気持ちになるしね。