思春期の恋

 娘の矯正歯科に付き添った帰り道、新学期へ向けてシャープペンとノートを買いに大型スーパーへ寄りました。
 そこのマクドナルドにいたサッカーバッグを持ったジャージー軍団。ぱっと目を引く男の子と目が合った。相手もこちら側を見ている。その軍団も色めきたつ。娘のことを好きな子が中にいるらしく、その子をからかっている。でも、娘が好きなのはその子ではなく、べつの子だから、話がややこしい。
 そのままエスカレータに向かう私たち親子を、その軍団が後ろから見ている。

 「○○(娘が気になっている恋の相手の名前)や…」
 「あのいちばん背の高かった子?」
 「うん」
 「かっこいいやん…。平岡クン(みずほ銀行のCMに出ている)みたいやんか…」と私。

 もう娘は、どきどき。完全に平常心を失っている。手の平に汗をかいて、指が震えてる。
学校指定のジャージではなく、ユースのチームのユニフォームを見たのは初めてらしいから余計に刺激が強かったみたい…。
 動揺が強すぎて、シャープペンを買うはずがボールペンを買って帰ってしまうし、帰宅後、「かっこよかったやろ?!」と100回くらい同意を求められるし…。

 姿を見るだけでこんなに幸せだなんて…。ああ、私は年を取りすぎました。