不完全燃焼

地下街の雨 (集英社文庫)

地下街の雨 (集英社文庫)

 短編集。
 短編の面白みは、事象や日常の何気ない一部分を切り取って、その機微を表現する面白さだと思っているのですが、この作品集は、起承転結をつけて謎を解決したい、きちんと着地したい、という思いが見えてしまって最後まで違和感が残ってしまいました。多分、長編向きの作家さんなのだと思います。
 「偶然」も1回ならまだしも2回も重なると嘘っぽさが鼻について、とたんにテンションが下がります。
 

野ばら

野ばら

 作者の交流がある宝塚歌劇団娘役をする女性の話、趣味の着物の話、歌舞伎の話、ワインを楽しむ会の話・・・いずれもどこかのエッセイで読んだことのあるネタをつぎはぎして構成された作品。
 っま、こちらも年末の気ぜわしい中、なあ〜んも考えず暇つぶしに読みたかっただけですから。