コミュニケーション能力

 新卒の大学生を採用するにあたり、人事課の人たちが口をそろえて言うのは、「コミュニケーション能力を重視したい」。実際、先日食事をともにした採用担当をしている大学時代の同級生も「まず、目をみて自分の意見がはっきり言えるか、からスタートする」って言っていた。
 コミュニケーション能力…。英語で、仏語でコミュニケーションが取れる能力というのも最終的には問われるんだろうけど、そんな高レベル(?)の次元の話ではなく、大学生にはもっと基本的なことが問われている気がする。
 たとえば、電車の中で、ブラインドを降ろすときに「よろしいですか」とひとこと先人に声をかけることができるとか。なぜ、そんな例を出すかといえば、先日、後から来た女子大生が窓際に座っている私の顔の前に手を伸ばし、無言でカーテンを閉めたという光景に遭遇し、唖然としたから…『そりゃ、就職試験、受からんわ…』と、心の中でつぶやいたのは、言うまでもなし。

 勉強ができるとかできないとかって、大学生の場合は、高校までとは少し種類がちがう気がする。難しい数学の問題が解けるのも「勉強ができる」、歴史を簡単に暗記できるのも「勉強ができる」…。
 まず、人の話を素直にすぅーっと聞く耳を持っていること。集中して聞けること。自分自身にフィードバックさせながら聞けること。必要ならメモを取る行動の早さ、そしていろんな方法で確認することができたら、それが最高。
 簡単そうにみえるこんなことが、実はいちばん重要だと痛感する日々。