「おひとりさまの老後」上野千鶴子

おひとりさまの老後

おひとりさまの老後

上野千鶴子先生といえば、京都の大学で教鞭をとっておられたころから、社会学ジェンダーの第一人者として門外漢の私も存じ上げていた。そして、関西で活躍するタレント遥洋子さん著の「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」は、昔2度も読み直した。
「頭脳明晰な研究者」「理論派」として怖いイメージしかなかったのですが、最近はこういう高齢者の介護問題にも研究分野を広げておられたんですね。
 「『ずーっとシングル』も『シングルアゲイン』もなってしまえば同じ。誰でも最後はひとり。」ひとりの老後を想定して、「どこでどう暮らすか」「だれとつきあうか」「おカネはどうするか」「どんな介護を受けるか」「どんなふうに終わるか」が書かれている。
 随所に上野語録がちりばめられ(データの分析力はさすが)、スッとします。両親の「老い」に向き合っている今、「こういうことね」と現実を客観的にとらえることができます。
 「どまんなか」の年齢になってから読むより、早めの年齢で読んでおいたほうが絶対いい。前向きになれます。
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ