療養中にあれこれ

離愁 (角川文庫)

離愁 (角川文庫)

 徹底して人とのかかわりを好まず、若くして死んだ美しい叔母の人生を、手紙や手記をたどって調べていくわたし。昭和という時代に翻弄されながら愛を貫き通した姿がだんだんと見えてくる。
 旧かなづかいの手記などを交え、ゾルゲ事件第二次世界大戦前の話が展開される。
 久しぶりに骨のある小説らしい小説を読んだ気がした。それにしても昔の人ってなんてきれいな言葉づかいをしていたんだろうと、改めて今の時代を思った。

サワコの和 (幻冬舎文庫)

サワコの和 (幻冬舎文庫)

 元気がない時はさらっと読めるこんなエッセイがお気楽。
 阿川さんって、厳格なお父様のもと、「男尊女卑」とも言えるような家庭で育っておられ、ところどころにその古風なものの考え方が出てくる来るのが興味深い。いまなお、お釜でお米を炊くことにこだわっていたりとか、貞操観念とか…。


本朝金瓶梅

本朝金瓶梅

 エロティックな江戸の恋愛絵巻。
 江戸ことばと時代風俗の描写が新鮮だった。