能 デビュー


 京都・岡崎にある観世会館で、お能を鑑賞してきました。
 1月にしか演じられないという「翁」を観るのが目的です。
 枚数だけを事前に電話予約して、座席の指定は当日受付でとか、2階の休憩場所にはお茶の入ったポットが置いてあるなど、かなりこれまでにないシステム。

 装束の美しさ、能独特の所作の美しさ、笛や鼓の幻想的な音…。歌舞伎でいう「花道」にあたる「橋かかり」を歩くときのその姿勢のよさ、すり足のバランス…。能面を付けた顔に見つめられると、射すくめられるような迫力…。初めてのその世界はとても興味深いものでした。幕がありませんから、いつ拍手をしていいものなのかさえわからないというのも、初心者ならでは。
 でも、やはり正直言って、簡単な予備知識と物語の内容を把握していったくらいではなかな理解が難しいです。周りの席の人は、謡本を手に持ち、いわゆる台本を目で追いながら鑑賞しておられます。そういうものがなければ、何を語っているのが全然わかりません。やはりかなりそれなりの準備をしていかないと、楽しみも半減でしょう。オペラや文楽には、掲示板で内容が表示され、歌舞伎にはイヤホンガイドという助っ人がありますから、ちゃんとついていけるのですが。
 学生割引というシステムがあるのもユニーク。2階席には、大学生くらいの若い人の姿が何人か見えました。いかにも一門の奥様、といった風情の着物姿の女性や、次代を担う小学生くらいの子供も一緒にあいさつしている姿も華やかでした。
 
 10:30AMに開演され終了予定が16:45PM。能、狂言、仕舞が次々と演じられていきますが、「翁」1時間、「絵馬」1時間半というのは、かなり長い。途中、「コックリ」なってしまい失態。この2つだけを鑑賞して、13:00過ぎには退出しました。