今ごろ…ですが

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

pen-cileさんもkumagoro_morinoさんもとっくの昔に書評をアップされているのに、「いまごろ…」です。

 この舞台になってる阪急電車今津線は私のエリアではないものの、沿線の雰囲気はわかりますし位置関係もスムーズに入ってくるので、より一層情景が迫ってきました。
 さまざまな人たちが心に抱く思いを乗せて走る電車。
 女子高校生たちが関西弁で交わす会話は、まさにうちの娘が普段している会話術そのもの。ほんと、笑いました。
 ウェディングドレスを思わせる「白」で、元婚約者の披露宴会場に「討ち入り」を果たした話がぴったりきたかな。


 去年のこの時期、長編ばかり読んでいたのに、今年は、全く本を読む気にならなかった。(去年は、パンツオンリーの日々だったのに、今年はスカートばかりはいていて、まったくパンツの気分じゃない。)
 刻々と変わる嗜好、今までとは違う興味…。
 そんな長い空白のあとに読むには、この本の切なさと暖かさはぴったりだった気がする。
 「恋の始まりの瞬間」の描写は、遠い昔になりすぎてしまった私にはちょっと辛い。