その勇気に乾杯!

 「もうあの子たちとは、つるまへんことにした。今日友だちに話を聞いてもらって、決心がついた」
 お夕飯の準備を一緒にしながら、はっきりした口調で娘が宣言した。
 入学以来、同学科の友だち5人と何もかも一緒に行動していたが、少し前から「全然、おもしろくない」と漏らすようになっていた。
 「勉強はできる子たちなのに、言動や話題、なにもかもすべてが女子中学生レベル。高校のときにもこんなひどいのはいなかった」。
 私も授業中のいろんな様子を聞くにつけ、いっしょにいたら「あのグループ」として先生に目をつけられるだろうなと懸念していた。

 「あの子たちのグループと離れたら、しばらくはまわりからかわいそうな子とみられるやろし、そんな目に耐えることと今のまま嫌なグループにいるのを耐えることと比べたら、まだ前者の方がまし…」
 「ノートを見せてもらえないとかそんな利害もあるけど、それだけ自分も真面目にしなあかんと思って授業も受けるようになるやろし…」
 「気まずいのは、お昼休みやねんな〜。誰とお弁当を食べるか…。 まっ、水曜日くらいやな、完全に一人になるのは…。」

 最近のぎくしゃくした関係と無視のされ方などを聞くと、よく耐えていたな悲しくなるとともに感心した。こういう女子の人間関係はいくつになってもついて回る。これが小中学生なら「いじめ問題」としてもっと親は頭を悩ますところだろうけど、娘は自分で結論を出してくれた。

 今日は、娘をおもいっきりほめてやった。しばらくは好奇の目にさらされるだろうけど、けっして離れた5人の悪口を言うことなく、次の出会いを大切にしなさい。ひとりでいることは全然さみしいことじゃない。

 あなたは、本当に大人だと思う。その決断は素晴らしいと思う。決してブレていないよ。その決断にあっぱれ!