20歳の晴れ着

 私が着た振袖を娘が着てくれるという。オレンジ色の総絞りに緑の帯…というまさに「しょうわ」の組み合わせ。
小物類を変えて全然雰囲気の違うコーディネイトにしたいと思い、烏丸仏光寺にあるアンティークのお店に提案をお願いをすることに。
 昨日、帯2本に振袖を持って娘と二人出かけて来た。

 やはりプロの提案はすごい。着物や娘の雰囲気にぴたりと合った色、素材を選んで並べてくださる。
 花嫁さんが使うような丸ぐけの黄色の帯〆、帯揚げの二色使いが、奇抜すぎないのに個性的なかわいさ。


 いちばん迷ったのは、半襟。白地に金糸でぷっくりした刺繍が施された華やかなものと、薄抹茶色のちりめんにピンクの花の刺繍が上品に施されたものと…。
 どちらの取り合わせも素敵すぎて、二人で大いに迷う。上品で清楚なかわいさ、写真うつり、稀有性などを考えて最終的には娘が決断。薄抹茶色のほう。どちらを選んでも後悔しないだろうという自信があった。
 半襟を大きく見せる着付けをすることでアンティーク度が一気に増し、着物一枚見ていただけでは想像ができない世界が広がる。

 こうやって娘と二人、きれいなものに囲まれながらああでもない、こうでもないと品定めをする幸せ。写真1枚の中に姿を残しておくという意味より、こうやって一緒に選んだという楽しい時間の記憶が、なによりも大事な歴史となっていくのだろうと思った。