こどもたち

 二人にとっても初めての身近な人の死。

 一緒に暮らす娘は、私の様子を色々気遣ってくれる。葬儀から一週間後に急きょ軽い脳梗塞で入院した父の様子や残された雑務のことなど、私の話にゆっくり耳を傾けてくれる。女同士だから理解できる小さな心の動きもきっちり理解をしてくれている。訃報を電話で知らせた時もずっと泣いていた。


 お通夜と告別式に列席した後、あわただしく仕事に戻った息子。週末に帰省しても、経過報告のような会話となってしまうのは仕方がない。
 今月末には、3週間のインドでの研修に出発予定で、その初めての経験を前にプレゼン、英語研修など準備に忙しい日々。「今、とても仕事が楽しい!」とキラキラした目で話して聞かせてくれる姿は私の今の救い。東京出張の合間をみては、TDR、バーゲン、スノボーとそれはそれはアクティブな日々を過ごしている。それを「喪中なんだから…」なんて言葉でいさめたりしたくない。
 若い人は、祖母の死などさっさと乗り越えてまっすぐ未来だけを見ていけばいいと思う。それを母がいちばん喜ぶだろう。


 二人の子供たち。勉強面では本当に差を感じることが多く悩みは尽きなかったけど、今、全く違う形での助け方を私にしてくれている。