春の庭で

 3か月ぶりに父の所へ。
 いつもはあわただしく過ぎてしまう滞在だけど、今日は天気もいいので部屋の掃除や冬物の洗濯などの雑事を手伝ってあげられた。

 兄が剪定してくれて、置いたままにしてあった植木をごみ袋に詰める作業を二人でする。春の暖かい日差しの中、のこぎりや剪定ばさみを使いながら作業を進める父。ゆっくりではあるけれど、力強く道具を使いこなしている。

 「お母さんが亡くなってから、初めて、おとつい、夢の中に出てきてくれた。30歳ころの顔だった…」
 「この家は、どう処分するかなあ」
 「掛け軸類は、売れるものは売ってしまってもいいし…」
といったとりとめのない話をしながら…。


 「(サ高住での食事は)量が少ない」といって、コンビニでおにぎりを買ったり、義姉にゆで卵を作ってもらって余分に食べているほど食欲も旺盛。顔色もいい。ひ孫とも会話を楽しんでいる。来月には86歳になる。

  何年後かにきっとなつかしく思い出すだろう、うららかな春の庭で父とすごした今日。









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