息子の通っている高校は、図書館がとても充実していて、ベストセラー作品や各受賞作などもかなり早く購入してくれています。「こんな内容の本、高校生が読むの?」と余計な心配をしてしまいそうなほどの品揃えです。
 毎月発行される「図書館便り」みたいなプリントで新着本をチェックし、息子に「これ借りてきて」と頼むと、市立の図書館より効率よく読みたい本を手に入れることができます。

 今回は、読みたい本が貸し出し中だったこともあり、息子が勝手に借りてきてくれたのは村上春樹氏の「アフターダーク」。名前だけは知っていましたが、この人の作品は初めて。
マダムの20代の頃の大ベストセラーの「ノルウェイの森」も読まずじまい。なんとなく引き合うものが感じられなかったことが原因かも。

 やはり・・・。すみません。私には何も響いてきませんでした。
 殺人現場の実況見分を読まされているような(といっても、私はそんなもの読んだことがないのですが)、ひたすら短文で、これでもかこれでもかといった情景描写に、ついていけない。
 そして、「初対面の人にここまで、心を深く見せて話す?」といった違和感。
 国語の試験に引用されたら、「作者の言いたいことは、ここです」と線が引けるような文章。

 でも、いつもついつい片寄った作者、内容の本ばかり選んでしまう悪い癖を、こういう形で打開できたのは、なかなか新鮮な刺激でした。