「県庁の星」
- 作者: 桂望実
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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まあ、ストーリーはご存知のとおりですが、コミック本を読んでいるような文体。
「県庁さんもたいへんね。スーパーの売り場の配置図が役所で役立つとは思えないけど」
「確かにそのとおりなんですが、なんでも書類で残しておかないといけないんですよ、われわれは」
こいつ、違う国に住んでるな、たぶん。「県庁さんは選ばれた人なの?」
少しはにかんだように笑った。「期待されてはいると思います。」
そうかよ。「そりゃたいへんだわ」
「期待されてるってことは、常に見られているってことですからね。結構プレッシャーですよ」あっそ。「で、売上は?」 (… 略 …)
「ここにあったテーブルは?」
「スペースを確保するために片付けました」
間違いなくばかだな、こいつは。「なんのスペースを確保するんだって?」
「陳列のスペースです」十、九、八…気持ちを落ち着かせるため、十から逆に数字を数えた。ふうっ。まだ切れていない。
ってな調子で軽〜い会話のオンパレードです。まっ、いいんですが…。
すっかり「きれキャラ」が定着した感のある柴崎コウは、イメージぴったりの役ですが、本の中では20才の息子がいる独身、ということになっています。
なんでこんな下流スーパーで研修しているのか納得のいかない、プライドの高い「県庁さん」が、心を切り替えてスーパーでの仕事にやりがいを見つけていくことになったきっかけをもっと明確にしてほしかった。
そして、後々たいしたキーパーソンにもならない登場人物にも全部名前がつけられて、次々登場するので、覚えるのがしんどかったです。