受験英語

 現在、外国語大学で英米語科の教授をしている友人と話したこと。(先日の同窓会にて)

 4月になれば、全国各地から希望に胸をふくらませたぴかぴかの新入生を迎えます。
 英米語科に入学しようとするくらいだから、留学経験のある学生、帰国子女の学生も多く、その個性も服装もかなりインターナショナル。授業の始めにアンケートをとると、約8割が長短にかかわらず何らかの海外経験がある。当然、英語の会話も流暢で、ネイティブかと思わせるほどの学生もいる。
 でも中には、地方の公立高校を卒業し、海外経験は旅行さえも皆無という学生もいる。AO入試で入学したのではなく、ひたすら受験英語を勉強して、地味な文法や英作文ばかりしていたような学生。
 そういう学生たちは、高校時代は英語の成績優秀でも、会話力はおぼつかない。やはり第1回目の英会話の授業で、周りの洗練された会話力にガツ〜ンとショックを受けるらしい。

 でも、数ヶ月もすると会話力は、歴然としてくる。ブロークンな英会話ばかり流暢に話せても、やはり学問を深めていくための語彙力、探究心などはそれに比例しない。
 きっちりこつこつと日本語力と幅広い知識を蓄積しながら、英語の基礎を作ってきた地味な(?)学生が、大学という場でチャンスが与えられて、飛躍的に伸びていく。

 入試の面接を担当したけど、調査票には「将来は通になりたい」と書いてある学生もいた。
 大学生の学力の低下はどの学部も深刻で、授業によってはレポート作成は、「ワープロ禁止。必ず手書きのこと」というクラスもある。パソコンは使えて当然。それよりももっと「基本のキ」をということですね。

 「試験に出る英単語」(通称:シケタン)で受験勉強をした私は、突然、そこに載っていた英単語が口に出ることがあって、不思議です。おとといの晩御飯も思い出せないのに。

 フレーフレー!全国の大学1回生たち!