御移り

 我が家の隣に住む80歳のご婦人は、生粋の京都人。朝、出かけるときに顔を会わすと「お早う、おかえりやす」と上品なイントネーションで、声をかけてくださいます。
 「御移り」という言葉を知ったのは、このご婦人からだったでしょうか。

物をもらったとき、返礼としてその容器などに入れて返す、半紙などの品。

大辞泉 より)

 何かおすそ分けの品を持って行き、容器を返してくださるときに、中に折られた半紙が入っていました。
調べてみると「マッチ」とかも入れたりするらしいです。「硫黄」→「祝う」という言葉遊びから。
 うちには、あいにく半紙というものを常備していないし、マッチも、多分相当探さないとない。そこで、昨日、友人に返却するタッパーに入れたのは、あぶらとり紙…。これでもいいよね。
 実家の父によると、そっちの風習では、「とびをつける」と言うらしいのですが、どんな字なのか意味もよくわかりません。入れるものがないときは、木の枝を入れたりもするって言っていました。
 京都だけの風習ではないようですが、なんとしゃれた心意気。