桐野夏生作品、デビュー

kawak2006-12-20

 59歳の敏子の夫が心臓麻痺で急逝。その気持ちの整理がつかぬままに、10年来の夫の愛人の存在を知り、音信不通だった息子の帰国、墓の購入、遺産の分配と次々と心惑わせる出来事が降りかかる。自分の今までの生きてきた道、そしてこれからの生きる道を模索していく心情が描かれていきます。

 例によって図書館で、本がきれいで、活字がそんなに小さくないもの、作者名…という単純な選択基準で、ストーリーの予備知識のないまま選びました。映画化され来年の1月に公開されることも知りませんでした。
 「桐野夏生、おもしろいよォ〜」と友人に言われ続けていて、やっと初めて手にしました。この作品が、著者の個性を強烈にアピールしている作品かどうかは知りませんが、テンポもよくどんどん、どんどん、読み進む、読み進む〜。単行本477ページがあっという間でした。
 「魂萌え!」って今風のタイトルだけど、このタイトルだけではちょっと選ぶ気にはならなかったかも。

 そう遠くない59歳という年齢、息子と娘という大人とのかかわり方、夫に先立たれたときのこと、何もかもが自分に置き換えられることばかりで、想像に難くない心情が随所に出てきて、ずしんと考えさせられてしまいました。

 作品を読み進みながら、ずっと思っていたこと、それは…。
女性は何歳位まで、他人から「現役の女性」と見てもらえるんだろう、ということ。

魂萌え !

魂萌え !