[読書」「シュガータイム」小川洋子

 異常な食欲(過食症とは、ちょっとちがうみたい)をもつ女子大学生と、身長が伸びない病気の弟、性欲のないボーイフレンド…と、ちょっと個性的な人ばかり登場します。
 「博士の愛した数式」の博士も変わった体質の持ち主だったけど、そんな人ばかりを描いておられるわけでもないんでしょうが…。野球のシーンが頻繁に出てくるのも共通していたけど、文体はかなりイメージが違います。
 作者評には「静謐」とか「透明感」という言葉が並んでいますが、たしかに「透明」って言えば透明だけど…。現代の若手女性作家ってこういう文体の人が多い気がします。私には、内容的にも物足らない本でした。