パンパース

 絶対に手を止めて、見入ってしまうCM、それが「この子はまだ夏を知らない」のナレーションで始まるパンパースのCMです。
 まだ寝返りが打てないので、首をそらして夏雲を見ている(ようなしぐさの)生後1〜2ケ月の赤ちゃん。そばで添い寝をするお母さんの指をにぎり、お母さんもそのしぐさで目を覚ます。お化粧っけのないお母さん。慣れない育児の中で、唯一ゆっくりできる時間。お母さんをじっと見つめているその赤ちゃんは、まだ微笑むことはできない。ただただ、じっと見つめるだけ。その目は、ほんとうに一心で、その時期にしか見られない表情です。
 最後に少し引いたカメラが捕らえるのは、始まったばかりの赤ちゃんとの生活に必要な小物があふれる畳の部屋。そして昼寝マットに寝転ぶ親子。雑然とはしているけど、確かにあれは幸福の香りがしている。
 遠い遠い、はるか昔に感じる光景ばかりが懐かしく思い出される、何とも幸せな気分になれるCMです。