バレエ「ラ・バヤデール」東京バレエ団(兵庫県立芸術文化センター)

 上野水香さんは、この世のものとは思えない美しさだった…。

 初バレエ鑑賞、してきました。
 年間10本以上は足を運ぶというバレエフリークの友人が、お薦めの演目ということで誘ってくれました。

 いかにもバレエを習っていますという髪型の小学生から高校生、そして「昔やってました」という雰囲気の大人の女性、明らかにタカラヅカの団員…。会場は、ここぞとばかりのおしゃれをした女性たちであふれかえっていました。

 直前に見た7月のオペラの余韻をそのまま引きずっていたので、幕が開いても「(…ここで唄って!)」なんて思わず力が入ってしまい、最初数分は楽しみ方がわかりません。
 ストーリーの流れを表現する部分と、それぞれの見せ場の踊りを表現する部分とが混じって展開していきます。
 群舞、アンサンブル、パ・ドゥ・ドゥ、男性のソロ、女性のソロ…。シンクロする美しさ、男性の力強さとジャンプの高さ、まさに指の先から足の先まで全部美しい。
 細かな技術のむずかしさは、私にはわからないところがあるんだろうけど、そんな理屈抜きに、「はぁ〜、すごい」のため息の連発。この踊りをするためにどれだけの練習をされたんだろう、と思うと、「私はなんて怠惰な生活をしているんだろう」と思ってしまった。

 違う団が演じる同じ演目を他にも3回観た、という同行の友人は、今日の公演は技術的にもかなり高かったと絶賛していたから、「バレエデビュー」がいい作品で飾れたことに感謝。

 やっとバレエの楽しみ方、おもしろさがわかったころに、最終幕は閉じてしまった。物足りない。また来てしまうな、絶対。

追記:
 鑑賞中、ずっと娘のことが頭によぎっていた。「絶対、感動するだろうな。絶対、歓喜の声を上げるだろうな」
 娘の高校の音楽や体育の授業では、創作ダンスやミュージカル、オペラ歌唱表現などが多くあり、しょっちゅうDVDで鑑賞している。
 こういう生の舞台を見せたら喜ぶだろうな…とずっと思っていた。これは、やはり息子でもムッシュでもなく、娘…。
 次回は、絶対連れてこよう。こういう経験は、これからの人生の中でとても大きな意味を持つ年齢になっていると思う。