車椅子

 駅前の広場でときどき見かける車椅子に乗った女子学生。いつもひとりで家からの迎えの車を待っている。
 昨日乗った帰りの電車の入口のところに、その子がすでに乗っていた。
 『駅に着いたら、駅員さんがあの板を持って待ってはるんやろな』と思っていた。するとそこには駅員さんの姿は見えず、その子は段差などないかのように車いすを操作して、ひとりでホームに降りて行った。
 『エレベータで上まで上がるのかな』と思って見ていると、エスカレータの登り口のほうへ進んでいく。
 『ええっ?』 
 その子はそのままエスカレータに乗り込んでいった。片手で手すりを持ってはいるようだが、いったい車輪はどうなっているの?私の3人前だったので、その様子が詳しくわからない。構造が根本的に違うのかな。若い人だからこそ操作できる仕組みになっているのかな。
 電車をひとりで乗り降りしたり、エスカレータを利用したりすることができる車いすがあるなんて知らなかった。こんなことをここに書いて、「なんて浅学な!」って笑われるかもしれないけど、久しぶりの小さな感動だった。