松島と山寺

 1泊2日の強行軍で、仙台へ行ってきました。

 仙台空港からレンタカーを借り、まずは市内へ。当然、お昼は牛タンをいただきました。
そして松島へ移動します。


 お天気はいいのに風が強く雪まで舞っているので、瑞巌寺をそぞろ歩くような気分にはなれません。レストハウスで15:40発まで時間をつぶします。
 壁には「ここまで水が来ました」といった表示や、津波で被害を受けたこの地域のその当時と現在を比較した写真が、たくさん展示されています。鼻の奥がツンとしてきます。忘れずにいることが復興のひと役と信じたい。



乗船時間は40分。これらの島々が防波堤の役目をして、津波の力が弱まったそうです。


ホテルのフロントやレストランの従業員の人の話、聞こえてくるお客さんの会話から、ご家族や知人の誰かが被災しておられ、誰もが大なり小なり今も苦しんでおられることに更ながら驚きました。


翌日は、高速道路を90分移動し、山形の山寺・立石寺へ。
車で移動していると、目の前には雪で覆われた蔵王連峰が見えてくる。
青空とのコントラストがすばらしい。
こんなに雪があって、山寺に登れる?とだんだん心配になってきました。

 参道にはたくさん雪が残っているし、所々つるっつるに凍てついていて、手すりを持たずには歩けません。ここで転んでさらに腰を悪化させたくないし、細心の注意を払いながら歩きました。アイゼンがほしいほどの、スノートレッキングの様相です。
 高い木々の枝から落ちてくる細かな雪に、太陽の光がキラキラあたりとても幻想的。観光客もそんなに多くないし、とても静かなひととき。




五大堂からの景色は、それは息をのむほどの美しさ。眼下に墨絵の世界が広がります。
この場所を何よりも楽しみにしていた夫は、いつまでも無言で眺め、去りがたそう。最後は手を合わせていました。そんな気分になるほどの神々しさです。


 私が以前ここに来たのは、35年前。まさに「閑かさや 岩にしみいる蝉の声」の真夏。母と仙台に下宿をしていた兄の3人で来ました。その時のいろんな会話やシーンを、今回とつなげていました。

 あわただしい行程ではありましたが、本当に記憶に残る旅になりました。
腰の不調で不安もありましたが、なんとか無事に行けてよかった。

 お留守番の子供たちには、定番中の定番のお土産の品々。牛タン、ずんだ餅、笹かまぼこ、白松がモナカ(黒胡麻がお気に入り)…。やっぱり来たからにははずせないもん!





【余談】帰りの飛行機で隣に座った女の子。春の装いが初々しい。高校を卒業したばかりなのかな。見送りの友人に送られたアルバムを抱え、離陸前からずっと鼻をすすって、泣いていた。
 ちらっと横目で見ると「京都でがんばれ!」の友だちのメッセージが。

 京都へ行くのね。
 声をかけたほうがいいのかな、と思ったけど、ひとりで泣きたい時もあるよね。

 京都でいっぱいいい友だちができますように!






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