「博士の愛した数式」

 以前に読んだ作品の映画化なので、興味を持って観て来ました。先に原作を読んでしまっているとき特有の先入観を持った見方をせず、失望感を抱かないよう「映像そのものを楽しもう」と心して・・・。
 寺尾聰さん、深津絵里さんの配役もぴったりだったけど、やはり浅丘ルリ子さんが秀逸でした。あの役にはあの人しかいない。数十年来、全く印象が代わらないっていうのが大女優さんたる所以ですね。

 以前に観たこの監督作品「阿弥陀堂だより」とよく似た作品。ゆっくりした流れの中に、この原作のテーマである愛にあふれた言葉がちりばめられています。

 映像にするためには、ストーリー展開が原作とかなり変わってしまうことは当然です。心の中にしか抱くことのできない数学の神秘性やイメージを、もう一度手元に置いて確認し直したく、帰路、本を買って帰りました。