告知

その日のまえに

その日のまえに

 「ひこうき雲
 「朝日のあたる家」
 「潮騒
 「ヒア・カムズ・ザ・サン
 「その日のまえに
 「その日」
 「その日のあとで」

 ガンの告知を受けた本人、妻、子供、友人の目線で心の動きを丁寧に丁寧に描いています。
 最後の3編はひとつの話になっていて、最後「その日のあとで」でそれまでの短編の登場人物が終結します。映画「ラブ・アクチュアリー」のような手法。
 重いテーマですが、なるべく冷静に読みました。

 重松清氏。これまで3冊しか読んでいませんが、本当に淡々としていながら繊細で深くて…。40歳代男性の目線の作品が多い中、高校生の語り口で進む「ヒア・カムズ・ザ・サン」もさすがの文体です。

 秀逸でした。