「平成女子図鑑」三浦展

 

平成女子図鑑―格差時代の変容 (中公文庫)

平成女子図鑑―格差時代の変容 (中公文庫)

 ファッションや読む雑誌、学歴、結婚等から現代の若い女性を類型化し、志向を分析している。アンケート調査などやフィールド調査を基にした行動社会学の報告書。キーワードは、「ミリオネーゼ系、お嫁系、ギャル系、かまやつ女系」。

 「社会に起きている階層分化を、女性が最もわかりやすく表現している。男性は階層格差がわかりにくい。(中略)女性の格差は、所得と学歴と職業の高低によってだけ構成されるのではない。それは着るているものや持っているものや髪形や化粧や読んでいる雑誌や身長や体型など様々な要素によって構成される圧倒的な格差だ。」

「『何らしくもない』ことはたしかに『楽』であろう。しかしあらゆる『らしさ』を拒否して『楽』でしかない『自分らしさ』を求めるだけであれば、職業人にはなれない。(中略)そして本来、自分らしさとは、既存の型としての『らしさ』の上に乗っていくべきものであろう。」

 自分の娘に置き換えて、危機感を持ちながら読んだ。娘のこの先の人生を憂いながら…。

※amairoさん、興味深い本の紹介、ありがとう。