湊かなえ「告白」

 何が苦手って、ここに読んだ本のことを紹介するのがいちばん苦手。他の人の記事を読んでしまうと、「うまくまとめてはるなあ」と自己嫌悪にさいなまれてますますアップできなくなってしまうので、どなたの記事を読むことなく感じたままを備忘録のつもりで書いておきます。

告白

告白

 ご存じ、2009年「本屋さん大賞1位」の本。ベストセラーの上位にいつも名前があがっていたから、某図書館にぴかぴかの手つかずの状態であったからという単純な理由で手にしました。ストーリーの予備知識は全くなし。恋愛ものなのかミステリーなのか、短編なのか長編なのかさえ。

 この年末の忙しい時期に、やられてしまいました。ここの掃除からあそこの掃除に移るちょっとした休憩時間に手にし、朝起きてすぐに手にし…。
 まず、第1章でノックアウト。「そうくるか…」
 書き方も明快、ストーリーにもぐいぐい引っ張られます。 現代の病巣を次々とえぐりだしてきます。途中、「この状況が続くなら、脱落したい…」とめげた時もありましたが。

 中2の男の子が主役、といったら主役なのでしょうが…。私はやはり、A少年とB少年の母親の立場で、読んでしまいます。「思春期の心って、こんなんなのか…」「その時期の子育てを終わってて良かった」「私は、いい母親だったんだろうか」…。

 2009年の締めくくりにふさわしい本でした。


別記:作者は武庫川女子大家政学部卒。先日、たまたまこの大学にかかわりがあったので、「縁」を感じました。